Episode 9 カリスマ編集長 村山 小路
こんにちは、赤門愛と申します。
先日、すごい腕時計見つけちゃって
腕時計見てあんなに興奮したの初めてなんです。
それは私のお友達で雑誌の編集長、村山小路さんがうちに遊びに来た時のこと
「さあて、そろそろかえっかな、六本木のミッドタウンでパーティーに出なきゃならんし」
時計を見る村山
そのごっつくてけしからん感じを醸し出している腕時計、あまりの存在感に
「コーちゃん、なに、その腕時計?不良でゴージャスじゃん!」
「あ、これはアメリカに行ったときにクロムハーツのお店に入ったら、お店のごっついロングヘアーでマッチョなオヤジが、あーらあなたのロレックスすてきじゃなあい、でもクロムハーツのベルト付けたらもっとすてきよお!あなたもすてき♡っていうから、その時店内に自分しかいなくて他の店員もみんなマッチョで囲まれて怖かったんで、じゃあお願いしますっていうことになってその場で交換してもらったんです。100万くらいかかったなあ、あはは!」
雑誌「エンサイマダ」の編集長、村山 小路
雑誌「エンサイマダ」は以前は「老人と海」という名前で、定年後の老人向けにナチュラルライフ、田舎暮らし、そば打ち、園芸、自家菜園作りなどを紹介する、まあ地味な内容の雑誌でした。
昨年村山が編集長に就任して内容を一新、若者にもターゲットを広げ、若者が好みそうな古民家を改装したカフェ、雑貨店、アートギャラリー作りや地方の町おこしなどの特集を組んで人気雑誌となりました。
村山小路は61歳。もともとはお洒落なオヤジ向けファッション誌「イビサ」の編集長でした。
高級ブランドとのタイアップ、イタリア人みたいなルックスで、自らがモデルとなって登場、愛車はマセラティ
「あの女優と内緒でお泊りデート」という企画が受け
村山小路みたいなオヤジが街に溢れ、
「イビサ」的なライフスタイルは社会現象になったほどです。
ところが、ある有名若手女優と本当にお泊りデートしていたことが世間に発覚
芸能界が相手ですから
「ちょっとまずいよね、わかっているよね」ということで
臨時株主総会が開かれ、
普段から
「こいつ調子に乗りやがって、気に食わねえ」
そう思っていた株主一同満場一致で
「これからはのんびりやってくれたまえ」
ということで
リタイヤした老人をターゲットにした雑誌
「老人と海」の副編集長に降格したのですが、
やはり才能がある。
おとなしくしていたのは束の間
当時の編集長が定年退職したのをきっかけに
雑誌のコンセプトを一新
雑誌名も「エンサイマダ」と改め
時代の流れを見事に読んで
「田舎暮らし」は最新トレンドになり
流行語大賞にもノミネートされるほどとなりました。
このお話はフィクションです。
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