「このトランク、ルイヴィトンじゃない?」
赤門家の蔵の中央に積み上げた巨大なトランク7つ
薄暗い上に布がかぶせてあったので
最初久美子は気づかなかったのですが
中に詰めてあったリーバイスを見ようと近づいた時
例の有名なモノグラム柄がはっきりと見えたわけです。
「なんだそりゃあ」
「フランスの有名なバッグメーカーよ、昔お金持ちが世界を船で旅する時にこんな大きなトランクに衣装をたくさん入れて運んだんだって、あたしも若い頃はお給料全部つぎ込んでヴィトンのバッグ買ったなあ」
過去の自分、全盛時代を思い出して遠いところを見つめる久美子
バブル世代であります。
呆れた顔で見つめる家族の視線にようやく気が付くと
「なんでこんなすごいものがうちにあるのよ」
「蔵に入ったの、たぶん生まれて初めてだし」
重蔵、トランクが蔵にあったことは知っていましたがこんな貴重なものとは知りません。
「小さい頃よく落書きした」
その発言に久美子、冷や汗が出ています。
「これ、ものすごい骨董価値だと思う」
「落書きがなければ」
久美子に言われて今度は重蔵が冷や汗
「おれのひいおじいちゃんのものだと聞いたことがある」
「重兵衛といって、なんでも昔アメリカにしょっちゅう商売しに行っていたとか」
「最後は行方不明になったそうだが」
*ちなみにどんなトランクか、こちらの動画でご覧ください
ひいおじいちゃんのことより
重蔵の落書きが気になって仕方がない久美子です。
続く
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それでは赤門家にまつわるこちらのお話、みなさまどうぞお楽しみくださいませ!